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世界淡水魚園水族館「アクア・トト ぎふ」が開館20周年、屋外新施設オープン(岐阜県各務原市)

2024.05.03

店舗・施設

【ここが最前線】世界最大級の淡水魚水族館。国内初の「希少種保全水族館」に認定。希少種の保護増殖に貢献。

「アクア・トト ぎふ」の愛称で親しまれている世界淡水魚園水族館(館長:池谷幸樹氏)は、2024年7月14日(日)で開館20周年を迎えます。同館では2024年4月13日(土)からの1年間をアニバーサリーイヤーとして、さまざまなイベントや新規展示を予定しており、4月20日には屋外に新施設「木曽三川 長良川・木曽川・揖斐川の豊かな水辺 Kiso Three Rivers Oasis」がオープンしました。

「木曽三川 長良川・木曽川・揖斐川の豊かな水辺」(写真提供:アクア・トト ぎふ)

「アクア・トト ぎふ」は2004年7月に開館した世界最大級の淡水魚園水族館であり、4階建て、延床面積約8,480m²の館内に、魚類、両生類などを約220種 20,000点、植物を約30種 2,000点ほど展示しています。⽣き物のガイドや体験学習プログラムなど、館内の企画やイベントも充実しています。開館後からこれまで、ウシモツゴやイタセンパラ、ネコギギなど地域の絶滅危惧種の保全活動に取り組んできたことが認められ、2018年9月に環境大臣より国内最初の「希少種保全水族館」に認定されました。

常設展示では、長良川の源流から始まって世界の川へと広がり、魚類を中心に、爬虫類・両生類・鳥類など水辺の生き物が生息する環境を再現しています。
4階は緑の森の中にある長良川源流の自然環境を再現。
3階は長良川上流から中流にかけて、昔懐かしい日本の原風景の中で生き物を観察できます。また、長良川中流から河口にかけて、身近な生き物から、絶滅のおそれのある淡水魚なども展示しています。
2階は海外の淡水生物を展示しており、インドシナ半島のメコン川、アフリカ大陸のコンゴ川、アフリカ大陸のタンガニーカ湖の生物を展示。
1階は、アマゾン川、ゾウガメひろば、カピバラテラス、魚へごはんをあげる体験や観察ができる「清流ふれあいプール」があります。

また、ピラルクーやコツメカワウソの食事シーンが観察できる「フィーディングウォッチ」や、生き物の暮らしや行動をスタッフが開設する「ポイントガイド」、オリジナルグッズをつくる「ものづくりワークショップ」、土日祝日限定で施設の裏側をスタッフが案内する「バックヤードツアー」といったイベントも開催しています。

 

濃尾平野を流れる木曽三川をイメージした屋外展示施設

今回新設された「木曽三川 長良川・木曽川・揖斐川の豊かな水辺」がつくられた場所は、もともとアシカショーなどが行われていたステージのあったところ。濃尾平野を流れる木曽三川をイメージした円形の水槽(直径2∼2.5m)9基と大型のふれあい水槽があり、円形の水槽にはシロヒレタビラやカワバタモロコなどが約1400匹、ふれあい水槽にはウグイやコイなど木曽三川に生息する淡水魚約3500匹が展示されています。

同館では、長年、さまざまな生き物の繁殖に取り組んできました。今回もカワバタモロコのようにレッドデータブックに記載されている魚を展示するなど、生物の繁殖に取り組む場所としても活用していきたいとしています。

オープンに先立ち、4月18日には内覧会が行われ、午前中に近隣の川島河田町にある川島東こども園の園児50人が来館。新施設を見学し、楽しみながら学べるお魚にごはんをあげる体験を実施。子どもたちは目を輝かせて歓声を上げながら、魚たちの様子を見守っていました。

館長の池谷幸樹さんは「ふだんなかなか見ることのない木曽三川の魚たちの様子を観察し、身近に感じてもらえるとうれしい」と語っていました。

 「木曽三川 長良川・木曽川・揖斐川の豊かな水辺」(写真提供:アクア・トト ぎふ)

館長と子どもたち(写真提供:アクア・トト ぎふ)

目を輝かせて水槽の中をのぞき込む子どもたち(写真提供:アクア・トト ぎふ)

(写真提供:アクア・トト ぎふ)

 

特別企画展「クラゲに夢中!~きっとあなたも、好きになる♡~」を開催

2024年4月13日(土)から7月7日(日)まで、特別企画展「クラゲに夢中!~きっとあなたも、好きになる♡~」がスタート。神奈川県藤沢市にある、クラゲ飼育で有名な新江の島水族館とのコラボ企画であり、木曽三川が流れ込んでいる伊勢湾に生息するクラゲや淡水に棲むマミズクラゲなど、13種類約200点を展示しています。

カサを広げたり閉じたりしながら、フワ∼ッと水中を浮遊するクラゲはとても幻想的。

水槽の後ろに回り込み、クラゲとともに写真撮影できるスポットもあります。ふだんあまり意識することのない川と海のつながりにも目を向けてもらえたらとのことでした。

(写真提供:アクア・トト ぎふ)

さて、開館20周年を迎えた「アクア・トト ぎふ」。まだ行ったことがない方はもちろん、何度か足を運んだという方も、新しい「木曽三川 長良川・木曽川・揖斐川の豊かな水辺 Kiso Three Rivers Oasis」を体験しに訪れてみてはいかがでしょうか。

 

【施設概要】
世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ
〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453
TEL:0586-89-8200
URL:https://aquatotto.com/

 

【取材・文】
松島 頼子
岐阜県出身。岐阜県を拠点に約20年、地域の活性化から企業家インタビューまでライターとして幅広く活動。実家はお寺。地域の歴史や文化、伝説などを深掘りすることで、まちの活性化や地域を見直すことにつなげたい。
「里山企画菜の花舎」 代表
里山企画菜の花舎