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東海最前線

殺されるためだけに生まれてくる命の連鎖を止める:ネコリパブリック首相:河瀬 麻花

2019.03.12

ひと

ここが最前線:多彩なアイデアで野良猫の保護活動とビジネスを両立させる企業

飼い主に見捨てられ、何も分からないまま殺処分される犬・猫たち。環境省が公表した平成28年のデータによると、日本国内では年間7万頭の犬・猫が殺処分されています。行政や自治体、あるいは保護団体の活動により、殺処分自体は年々減少傾向にあるものの、未だその数は膨大なもの。とりわけ猫に関しては、野良猫の数が影響するのか、犬に比べて1.5倍近くの処分数となっています。

今回は「株式会社ネコリパブリック(以下、ネコリパブリック)」の代表取締役を務める河瀬麻花(かわせあさか)さんにインタビューしました。同社は2022年2月22日までに、日本国内における「猫の殺処分ゼロ」を掲げる企業。保護猫の里親探しとビジネスを両立させた「自走型保護猫カフェ」を運営しています。今回は同社代表の河瀬さんに、保護猫カフェのビジネスモデルをはじめ、日本における動物殺処分問題の現状についてお話を伺いました。

三点要約

・ビジネスとしても“自走”できる保護猫カフェ

・全ての商品やサービスの一部売り上げを保護活動費に還元

・野良猫による被害はTNR活動で軽減できる

プロフィール

▲河瀬麻花(かわせあさか)さん。自走型保護猫カフェ「ネコリパブリック」首相。
2022年2月22日までに日本の猫の殺処分数をゼロにすることを目指し、猫カフェで保護猫の里親探しを行ないながら、猫と人との新しいライフスタイルを提案。全国に6店舗の保護猫カフェを展開している。

■事業開始のきっかけは「東日本大震災」

——よろしくお願します。さっそくですが、保護猫カフェの経営を始めたきっかけを教えてください。

河瀬さん:2011年に起きた東日本大震災がきっかけです。「ネコリパブリック」を立ち上げる以前は、ベーグル専門のブランドでネット販売をしていました。その後、東日本大震災が起きて、原発の避難地域に取り残された犬や猫をレスキューしている団体があると聞いたんです。

何か手助けできないと思い、人気商品であるベーグルセットを1,000円(通常)ではなく、1,200円で販売しました。売り上げの200円をお客様からの寄付とし、もう200円を店からの寄付として、1商品あたり400円をレスキュー団体に寄付したんです。これが初めての“猫助け”だったと記憶しています。

その後、たまたま岐阜県が「女性・若者企業支援プログラム」というものを打ち出していて。このプログラムを利用して、何か出来ないかと模索していました。実際にアイデアが浮かんだのは、当時参加していた「Eコマース(電子商取引)」の勉強会でした。その頃は、クラウドファンディングが出始めたばかりで。勉強会のお題として、「もし自分がクラウドファンディングを利用するならどんなプロジェクトを立ち上げるか?」というものがあったんですよ。

その勉強会で、「私だったら保護猫カフェを作って保護活動とビジネスを両立させる」と言いました。野良猫の保護・譲渡はもちろん、スタッフも雇用もして、お客様から入場料を頂き、対価としてサービスを提供する。保護猫活動がビジネスとして回るプロジェクトのために資金を集める、と話しました。

結果、「それ面白いんじゃない?」というご意見を頂いて。じゃあビジネスプランを作って、助成金でチャレンジしようと思ったんです。そこからネコリパブリックの経営がスタートしました。

——もともと猫はお好きだったんですか?

河瀬さん:子どもの頃から猫が大好きで、猫と一緒に育ったと言っても過言ではありません。例えば、うちはベーグル専門店だったのですが、私が大の猫好きということから、やたらと“猫推し”でした(笑)「エルクアトロギャッツ」(意味:4匹の猫)」というお店の名前で、「猫の手のベーグル」や「肉球パン」などを販売。その影響もあったのか、猫好きのお客様からたくさんご購入いただけました。それが結果的に、支援にも繋がったのだと思います。

また、大人になるにつれて、猫の殺処分のことを考えるようになりました。「ネコリパブリック」を立ち上げる以前、猫の保護活動を岐阜県内で行っている人がいるのでは?と調べたら、たまたま近くにいらっしゃって。その団体の会長さんと懇意になって、私もお手伝いをするようになりました。ボランティア活動に関わる中で、色々な課題が見えてきたんです。

——ボランティア活動の課題……ですか?

例えば、殆どの人が別の仕事を抱えて活動をしていました。活動費は一人ひとりの持ち出しで、本人達もすごく疲弊している。活動自体に一杯一杯という現実があります。保護活動に関する、もっと広めなければいけないこととかも、中々PRできなかったんです。

時間もかけれないし、活動を広めるノウハウもない。そんな状態だったのかなと。これは私の持論ですが、人が不幸になっていたら、猫を幸せにすることはできません。何か画期的なことをして、この現状を打破する必要がありました。そこで思いついたのが、先の勉強会でのアイデアをベースとした「自走型保護猫カフェ」というビジネスモデルです。

■「自走型保護猫カフェ」とは

出典:ネコリパブリック公式サイト

——自走型保護猫カフェとは、どのようなビジネスモデルなのでしょう?

河瀬さん:保護猫活動をやりながら、ビジネスとしても“自走”できることを目指したビジネスモデルです。まず前提として、「保護猫の多くが大人猫である」という課題があります。そのため、弊社が運営するカフェでお預かりするのは、避妊去勢が終わっている6ヶ月以上の大人猫のみです。カフェに来て下さったお客様から入場料等をいただき、そのお金で保護猫達のご飯代やスタッフの人件費・光熱費を賄い、並行して譲渡も促進していく。なおかつ、保護猫活動という選択肢を皆さんに知ってもらう周知活動も行っています。

出典:ネコリパブリック公式サイト

もちろん保護猫カフェの収益だけでは足りない部分がありますし、、保護猫活動を周知させるイベントを打ち出したり、さまざまな企業との取引や、物販の利益でも賄っています。それら売り上げの一部をカフェの運営費にしたり、譲渡会などの開催費にしたりと、全てが保護猫に繋がる仕組みです。

——立ち上げ当時、そういったビジネスモデルの猫カフェはあったのですか?

河瀬さん:保護猫カフェ自体はあったと思います。でも、カフェだけを経営しているところが殆どだったはずです。私達のように譲渡を促進したり、イベントを開催したり、商品開発をしたりする企業は少なかったのではないかと思います。

——なるほど。具体的な保護猫の譲渡条件を教えてください

河瀬さん:まずはお店に来てもらう、それが絶対条件です。その上で、一生ちゃんと面倒がみれる環境にあるかどうか、家族全員の同意があるか、ペット飼育可の住宅に住んでいるかなどを審査させていただきます。また、その人のライフスタイルに合った猫がいるかどうか、というのもポイントですね。

——例えば、一人暮らしだと譲渡審査が厳しくなったりするのでしょうか?

河瀬さん:一人暮らしやご高齢の方には、その命に対する連帯保証人を必ずつけてもらいます。命が尽き果てるまで、絶対に面倒が見れるかどうか、その保証が得られる方でないと譲渡できません。とはいえ、当たり前のことをちゃんと把握している方であれば問題ありません。

——これまで譲渡が難しかった猫はいましたか?

河瀬さん:ルックスなどの問題で譲渡率が低い……といったことはありません。ただ、譲渡できる子なのに、中々引き受けてもらえない子はいます。例えば、「猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)」発症している子。猫エイズは感染力が低くて、さらに発祥しない子も多いのですが、“エイズ”と聞いただけで譲渡率が下がります。

ただ、エイズウイルスを持っているってだけで、何か他の子と変わることがあるかっていったら、何もないんですね。ストレスのかからない生活を送らせてれば、発症するリスクもほぼありません。14~15歳まで長生きする子もいるくらいです。

それなのになぜ、譲渡率が低いのか考えた結果、やはり“エイズ”という言葉が悪いのだろうと。そこで私は、猫エイズウイルスを持っている子達のことを“りんご猫”と呼ぶことにしました。

——可愛い名前ですね。なぜ“りんご”をモチーフにしたのでしょうか?

▲ネコリパブリックが販売する“りんご猫グッズ”。雑貨を中心に展開している
出典:https://cats.neco-republic.jp/ringo-neco

河瀬さん:人間のエイズ撲滅運動に「RED」ってあるじゃないですか。だから赤を彷彿とさせて、可愛らしくて、さらに猫っていう単語と合わせやすい言葉を探しました。その結果が“りんご”だったんです。またグッズも作りやすい、っていうのもありますけどね。弊社が運営する保護猫カフェでは、東京・中野店を“りんご猫”の専用店舗にしていて、大阪店にも一部”りんご猫ルーム”を設置しています。

——なるほど。お客様からはどのような反応をいただくのですか?

河瀬さん:やっぱり保護猫って、汚いとか怖いとか、そういうイメージを持っている方がいらっしゃるんですよ。でも、実際に来てみて「めっちゃ可愛い!」「めっちゃ綺麗!」とすごく驚かれる方が多いですね。本当に可愛い子たちばかりです。

——未だ保護猫の数は多いのでしょうか?

保護猫も多いですし、譲渡されていく猫たちも多いです。保護猫を家族にするという選択肢が大分広がっているのかなとは感じます。でも、まだまだですけどね。

 

■全てが“猫助け”に繋がる。多彩な事業展開

——「ネコリパブリック」さんは、保護猫カフェ以外にも事業を展開していると伺いました。

河瀬さん:そうですね。朝ご飯・昼ご飯の専門店である「さび食堂」、動物病院の受付け内に設置した「CAT PLAZA with NECO REPUBLIC」という保護猫スペース、移動式の保護猫カフェである「ネコのバス」など、さまざまな事業があります。

——よろしければ、一つひとつお話を聞かせてください。

出典:
https://www.facebook.com/sabi.shokudo/photos/a.170773367200732/175450560066346/?type=3&theater

河瀬さん:まずは「さび食堂」についてですが、2018年11月にオープンさせたセルフサービス定食のお店です。朝8時半から営業しており、その時間帯は「ねこまんま」などの朝食メニューが中心。11時半から14時半までは、岐阜名物の鶏ちゃんや土手煮が楽しめるランチのお店になります。

▲「ねこまんま定食」
出典:
https://www.facebook.com/sabi.shokudo/photos/pcb.237975893813812/237975747147160/?type=3&theater

河瀬さん:この店の特徴は、売り上げの一部を保護活動に充てていることです。たとえ猫嫌いな方でも、知らぬ間に猫の手助けができる……そんなお店となっています。また、できるだけたくさんのお客様に来ていただきたいので、外観・内観ともに“猫感”をゼロにしました。

——“食べて猫助け”ができる食堂……画期的ですね。他にはどうでしょう?

▲「CAT PLAZA with NECO REPUBLIC」内の様子

出典:
http://www.ac-plaza.co.jp/%E3%80%8Ccatplaza-with-neco-republic%E3%80%8D-%E8%91%9B%E8%A5%BF%E6%A9%8B%E9%80%9A%E3%82%8A%E7%97%85%E9%99%A2%E3%81%AB%E8%AA%95%E7%94%9F%E2%98%85/

河瀬さん:保護猫とのふれあい・譲渡を促進するため、動物病院の受付内に保護猫専用のスペースを作りました。こちらは弊社と「ACプラザ苅谷動物病院」が共同運営しています。院内ではオリジナルグッズも販売していて、その売り上げが猫たちのご飯代や、運営費に充てられる仕組みです。一般的な猫カフェとはまた違う、“遊んで猫助け”ができるスペース、というイメージです。

——猫と遊ぶだけで良いのでしょうか?

河瀬さん:もちろんです。コミュニケーション能力の高い猫、つまり人馴れしている猫ほど譲渡率が高まる傾向にあります。保護猫の中には、中々人に懐かない猫も少なくありませんが、たくさんの人たちとふれあうことで、次第に人馴れするようになります。

——なるほど。保護猫にとっては、人と暮らすための訓練にもなるんですね。

▲出典:ピュリナ「ネコのバス」ができるまで

河瀬さん:このほか、「ネスレピュリナペットケア」さんと共同で、バス車両を猫が暮らせるように改装した「ネコのバス」を運営しています。冷暖房も完備していて、バスの車内でありながら、人と猫が一緒にくつろげる空間を目指しました。いわば、移動式の猫カフェのようなものですが、このバスを活用し、全国各地で保護猫の譲渡会を行っています。

——そもそもなぜ、このような事業を展開しようと考えたのですか?

河瀬さん:先ほどお話したように、保護猫カフェって正直、儲かるビジネスではないんです。365日猫のお世話が必要ですし、そこには人件費がかかるし、光熱費もかかります。普通のお店を経営するよりもコストがかかる一方、十分な収益があるかといったら、そこまでありません。譲渡会などの費用も加えたら、カフェ経営だけでコストを賄うのは難しいんですね。そのためにも、保護猫カフェ以外の事業も展開する必要がありました。

——なるほど。この先の展望を教えてください。

河瀬さん:保護猫カフェは、うちの事業の一つに過ぎないので、色々なイベントを通して、保護猫を家族にする文化を広めていきたいです。保護活動をされている方と、一般の方の架け橋になる存在……といえば良いでしょうか。また、「ネコのバス」もそうですけど、移動型で保護猫を譲渡できるスペースを増やしたり、さまざまな形で保護猫とふれあえる場だとか、保護猫の存在を知って貰う機会も増やしていく。これらが私たち「ネコリパブリック」に課せられたミッションだと考えています。

■動物殺処分問題について

——日本における猫の殺処分の現状を教えてください。

河瀬さん:数は確実に減っていますね。年間だいたい3万4千匹くらいでしょうか。ただそれは、結局はボランティアさん達が頑張っている現状があります。もちろん殺処分ゼロを掲げる行政も増えていますし、殺処分施設自体を稼働させなくなった所もありますけど、やはり自治体による差が激しい。保護猫活動に関する知識の浸透だとか、そのあたりの地域格差が激しい風に感じます。

――東海エリアではどうでしょうか?

河瀬さん:愛知県は力を入れている印象ですが、まだ殺処分ゼロを実現できていません。岐阜県や三重県も同様で、さまざまな制度こそ作るものの、発信が弱くて誰も知らない制度がたくさんあったりします。ただ、かけている予算とかも東京や神戸などに比べると全然違いますから、現場の人達と、トップの意向が一体化さえすれば、殺処分ゼロへとすごい勢いで進み出すはずです。

——そもそも、どのような猫が保健所に持ち込まれるのでしょう?やはり大人猫が中心ですか?

河瀬さん:いえ、逆ですね。殺処分されている猫の5割以上が乳飲み子です。頭数の多い自治体だと8割にも及びます。なぜそういう子が保健所に持ち込まれるのかというと、猫は非常に繁殖力が高く、ご飯だけあげていたらどんどん増えてしまうから。その結果、軒先で生まれた乳飲み子を拾ったり、ひどい人だと「飼えない!」という理由から、自宅で生まれた子を保健所に持ち込むんですね。

そもそも昔だったら、子猫は即日殺処分が当たり前でした。乳飲み子は2時間おきに授乳する必要がありますし、排泄のお世話も必要です。1ヶ月~2ヶ月で離乳こそしますが、その期間を保健所の方が、土日関係なくお世話するのは不可能だからです。今は、ミルクボランティアを募集する行政も増えているので、即日殺処分は減っているものの、未だそんな現状があります。

——生まれたばかりの子が即日殺処分されるというのは、心が痛みますね。猫の殺処分ゼロを実現するには、どのような点が重要だとお考えですか?


河瀬さん:人々の意識を変えることです。当たり前のことですが、一度飼うと決めたペットは、命が尽きるまで面倒を見る。そして無闇に繁殖させず、気軽に命を売買しない。これが猫だったら、外飼いはしない。完全室内飼いを徹底し、避妊去勢をしてワクチンも打つべきです。これらを飼い主さんが守るだけで、少なくとも、望まれない命がこれ以上増えることはありません。

なおかつ、外の猫を見たら「去勢手術されているか?」を気にかけて欲しいですね。不妊手術を受けた猫は、耳先がカットされているので、一目で分かるので。いわゆる「TNR(地域猫活動)」を多くの人が取り組むようになれば、殺処分ゼロを必ず実現できると思います。

——TNR活動とは一体何なのでしょうか?

河瀬さん:Trap(捕獲する)・Neuter(不妊手術)・Return(元の場所に戻す)の頭文字を取った地域活動のことです。まずは野良猫を捕獲器などで捕獲し、不妊手術を受けさせた後、元の場所に戻してあげます。以降は、地域住民で野良猫のご飯などをお世話するわけです。

——なるほど。しかし、猫嫌いな人たちからは反発があるのでは?

河瀬さん:もちろんあると思います。野良猫の鳴き声による騒音問題、敷地内の糞尿被害など、トラブルは絶えません。しかし、それらの問題を解決しながら「殺されるためだけに生まれてくる命の連鎖を止める取り組み」がTNR活動なんですよ。

例えば、不妊手術さえすれば、繁殖に歯止めがかかるほか、発情時の鳴き声も軽減されます。喧嘩の回数も減るので、騒音問題は着実に改善するはずです。その上で餌場やトイレをなどを設置し、地域住民で管理していきます。

——現実問題、不妊手術にはそれなりの費用がかかります。費用面がハードルの高さに繋がるのかなと思うのですが、いかがでしょうか。

河瀬さん:最近は、多くの自治体で補助金を出しています。所有者不明の猫であれば、手術費用を安くする専門の病院もあるほどです。猫の問題を解決するための民間施設は増えているので、それを上手く活用するのが良いと思います。

——なるほど。いずれにせよ、地域住民間の理解・連携が必要になりそうですね。


河瀬さん:そうですね。でも、トラブルの元は全て人間にありますから。猫はただ生きるためにやっているだけで、絶対に悪くありません。そもそも外猫は、家猫と違って寿命が短いので、長くても4~5年しか生きれない子がほとんどです。一代限りの命ですから、その期間はみんなで温かく見守ってもよいのではないでしょうか。

——このような活動は、まだ世間に認知されていないのでしょうか。

河瀬さん:90%の人は、TNR活動を知らないと思います。猫好きな人からすると当然なんですけど、このような活動をいかに一般の人達に広めるかっていうのも、私達のミッションですね。

——殺処分ゼロを目指して、この先どのような社会になれば良いと思いますか?

河瀬さん:例えば、餌をあげるなら避妊・去勢するのが常識になって欲しいです。形はどうであれ、餌をあげる人は心優しい人だと思うので、その人達が、「自分があげることで被害が広まっていること」に気づく世の中にしなければいけません。もちろん周りも、そういうことを当然として教える。単に非難するだけじゃなくて「一緒に避妊去勢をしようか」と提案するような、そんな社会になればいいと思います。

——ありがとうございました。

■インタビューを終えて


私たちは普段、ペット業界の“綺麗な一面”しか見ていないのかもしれません。その裏には、生まれてすぐに殺処分される小さな命があったり、それを守ろうと奮闘する人たちの姿があります。河瀬さんのお話にもあったように、なぜ殺処分されてしまうのか、どうしたら殺処分を減らすことができるのか、多くの人が共通課題として認識すれば、猫の殺処分ゼロは必ず実現できるはずです。なお、「ネコリパブリック」ではボランティアスタッフを随時募集しています。少しでも力になりたいと思った方は、ぜひご応募ください。

・ネコリパブリック公式サイト

 

著者+撮影 ポメラニアン高橋 フリーライター&編集者
東京から岐阜県に移住してきたフリーランス型ポメラニアン。編集プロダクションにてレストラン取材や芸能人インタビューなどを経験し、2017年に独立。
詳細な実績やプロフィール