東海地方発、世の中にインパクトを与える企業・団体・個人の最前線の情報を届けます。

東海最前線

東海地方の不動産・注目エリア(17)一宮

東海地方の不動産の注目エリアを紹介する連載、
第17回目は、一宮をとりあげます。

愛知県の北西部、名古屋市と岐阜市の中間に位置する一宮市は、
市の北側から西側へと約18キロメートルにわたり接する
木曽川の豊かな水と土壌に恵まれた地域にあります。

尾張一宮駅前

尾張一宮駅から名古屋駅へは、JR東海道線で最短10分、
名鉄一宮駅から名鉄名古屋駅は名鉄本線で15分と、
アクセスが良好で名古屋市内に通勤する住民も多く、
近年は尾張一宮駅周辺に新しいマンションが次々と建設されています。

駅近くのマンション

名古屋高速16号一宮線を使えば
名古屋市内に30分ほどでアクセスすることができます。
一宮ジャンクションは東名・名神高速道路と
東海北陸自動車道を結ぶ高速道路網の要衝でもあります。

愛知県人口動向調査結果(令和3年9月1日)によれば、
一宮市の人口はおよそ37万8千人で、
名古屋市、豊田市、岡崎市に続いて県内4番目に人口が多い都市です。

 

一宮市と尾張の国の「一の宮」真清田神社

一宮市の中心部に「真清田神社」という有名な神社があります。
一宮市の名前の由来はこの神社にあります。

真清田神社

平安時代に、中央から地方に派遣された国司(こくし)が
その国の神社を参拝して回る時、
最初に出掛ける神社を「一の宮」と言いました。
尾張の国の「一の宮」が真清田神社であったことから、
その門前町であるこの地域もそう呼ばれるようになりました。

真清田神社は、一宮市民だけでなく、名古屋市も含めた尾張全体、
近隣の市民からも厚い信仰心を寄せられています。
なお、真清田神社の名前は、木曽川の灌漑用水による水田地帯として、
清く澄んだ水によって水田を形成していたことが由来のようです。

真清田神社

 

繊維産業で発展してきた一宮市

一宮市は「繊維の街」として有名です。
江戸時代には、濃尾平野でも綿花栽培が行われるようになり、
綿織物業も盛んになりました。

大正時代には動力織機の導入とともに毛織物に転換しました。
第二次大戦中・戦後には一時停滞しましたが、
戦後には比較的すぐに立ち直り、再び毛織物業が盛んになりました。

昭和30~40年代は、全国から若い女性が集団就職で集まり、
織物業に従事するほどでした。
一宮市の織物業は1987年には過去最高の生産額になりました。

本町商店街アーケード

その後、輸入品や合成繊維の普及などで、
出荷額はピークに比べて約4分の1にまで落ち込みました。

それでも現在も毛織物や服地の出荷額は一宮市が全国一であり、
平成26年時点で300億円と全国(537億円)の約 55%を占めます。
現在は、尾州の毛織物の特徴である、糸や生地の段階で
複雑な色や柄などを表現できる技術力を
アピールしようという取り組みが始まっています。

JR尾張一宮駅近くにある、昭和初期に建てられた
繊維組合の事務所ビルが、地元企業などの手によって新たに
「Re-TAiL(リテイル)」という情報発信拠点に生まれ変わりました。

Re-TAiL外観

この施設には各社が開発した糸や生地のサンプルが集められており、
高級品から手頃な品まで約3000種類の生地が揃えられています。
誰でも見学でき、購入もできる施設です。

Re-TaIL内部

2021年に中核市に移行した一宮市

一宮市は、2005年4月に旧一宮市、旧尾西市、旧木曽川町の
2市1町が合併して、今の姿になりました。

もともとこの2市1町は、
一宮市中心部を核に放射線状に道路や鉄道が整備されており、
通勤・通学・買い物など日常生活圏が一体化していました。
保育園も相互入所ができ、図書館も相互利用が可能でした。
合併することによって、こうした行政サービスの効率性を
さらに高めることができるようになりました。

一宮市は2018年3月に中核市移行を目指すことを表明し、
2018年4月に中核市移行準備室を設置。
市制施行100周年を迎える2021年4月1日には中核市に移行しました。

市制施行100周年を記念する掲示

中核市になると、保育園の設立認可や身体障害者手帳の交付、
飲食店の営業許可などの権限が愛知県から委譲され、
事務の効率化や迅速化が図られるというメリットが生まれます。
市政施行100周年を迎え、中核市となった一宮市は、
より暮らしやすい町になっていくことでしょう。

一宮市役所本庁舎

【出典】
・愛知県の人口 愛知県人口動向調査結果 月報(2021年9月1日現在)
 https://www.pref.aichi.jp/soshiki/toukei/jinko1new.html
・一宮市公式サイト
 http://www.city.ichinomiya.aichi.jp/index.html
・一宮市・尾西市・木曽川町合併の記録 
 https://tinyurl.com/y84g6cqb
・真清田神社公式サイト http://www.masumida.or.jp/yuisyo/
・一宮地場産業ファッションデザインセンター
 「尾州織物産地の歴史と年表」
 http://www.fdc138.com/summary/bishu-histroy.html
・一宮市「一宮市の工業 平成26年」
・経済産業省「平成26年工業統計調査(確報)品目編」
・Re-TAiL公式サイト
 http://re-tail.jp/what-was-this-building-used-for
・朝日新聞 ぐるり東海(5)ブランド「尾州」発信 2017年12月5日
 http://www.asahi.com/area/aichi/articles/MTW20180110241530001.html

 

【企画・編集】名城企画株式会社 × 東海最前線(タイアップ連載企画)
※本原稿は東海最前線 編集部の責任で執筆しています。

企画:名城企画株式会社2005年に名古屋市東区で開業した不動産会社。
不動産売買事業、不動産仲介事業、パーキング事業(名城パーキング)、
不動産管理事業、賃貸仲介事業(ホームメイト事業)、太陽光発電事業の6事業を展開。
地元名古屋の総合不動産企業としてお客様の要望にこたえるため、
大企業の組織的な考えにとらわれない柔軟なサービスを提供しています。

 ・名城企画株式会社:http://www.meijokikaku.jp/ ・名古屋・東海収益不動産NAVI:https://www.nt-navi.jp/


著者・編集・撮影:
東海最前線 編集部