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東海最前線

東海シェアオフィス探訪.2:S.Core REJ Coworking/栄・矢場町

S.Core×サカエ大学・Common-S.

東海エリアで話題のシェアオフィスを訪問取材する企画、東海シェアオフィス探訪。
今回は2019年6月29日にオープンしたばかりの栄・矢場町のシェアオフィス
「S.Core REJ Coworking」を取材しました。

同シェアオフィスを運営する「REJ・ディベロップメント株式会社」の
渡野友和(わたのともかず)さんに、同シェアオフィスの特徴や
セミナー事業で連携する「サカエ大学・Common-S」について伺いました。

▲REJ・ディベロップメント株式会社 代表取締役社長 渡野友和さん

 

企業のセカンドオフィスにも最適なS-Core

——よろしくお願いします。まずは「S-core」の運営に至った経緯を教えてください。

▲広々としたオフィス内

渡野さん)最初は、同業者がふらっと立ち寄り、仕事ができる空間を
 作りたかったんです。私が起業したのは、今から 19年前。
 21歳の時に「REJグループ」初のオフィスを矢場町に構えました。
 今は名古屋市内にいくつかオフィスがありますが、
 仕事の打ち合わせなどは都心が多くなります。
 都心で打ち合わせをして、わざわざ郊外のオフィスに戻るのは面倒でした。

 そこで、同業者やお客様が郊外から栄に来て、気軽に利用していただける
 フリーアドレスのシェアオフィスを作りたいと思いました。
 「人有るところに情報有り」というように、情報交換や名刺交換をして、
 実際の仕事に繋がるようなオフィスになればと、そのような発想で始めた事業です。

——マネタイズ方法についても、当初から検討されていたんですか?

渡野さん)いえ、全く考えてなかったです(笑)
 私個人としては、単純に仲間達と仕事がしたかっただけでした。
 「名古屋大学(以下、名大)」さんから「マネタイズした方が良いのでは?」
 とご提案いただき、皆さんと相談しながら進めました。

——栄という場所にも特別な想いがあるように感じます。

▲会議室1の様子。白壁はホワイトボードになっている

渡野さん)そうですね。栄で20年近く不動産関係の仕事をしてきたので、
 ここで街づくりや、人作りがしたいという想いもあります。
 今は名古屋周辺にオフィスを構えていますが、いつか栄にオフィスを戻したいと。
 たくさんの縁がありますし、この街の人達には可愛がっていただいたので。

 また「新しい情報を栄から発信したい」とも考えていました。
 最近は名駅が注目されていますが、元々名古屋は、栄が中心地だったのです。
 今回、「松坂屋・名古屋店(以下、松坂屋)」さんとコラボレーションした
 「サカエ大学・Common-S.」も同様の考えから生まれたものです。
 シェアオフィス事業とは別に社会人大学のようなカテゴリを用意しました。

 

▲タッチパネル式の大型モニターを設置。講師陣から便利と好評とのこと

——改めて、「サカエ大学・Common-S.」について詳しく教えてください。

渡野さん)「松坂屋」さんが中心となるセミナーコミュニティ事業で、
 週末にさまざまな授業を予定しています。ジャンルはビジネス関連に留まらず、
 「5G」、「e-スポーツ」、「データサイエンス」、「女性の働き方改革」など、
 様々な分野の授業を予定しています。
 また、名古屋大学とも包括連携協定を結んでおり、
 名大関連のイベントやセミナーも多いです。

——直近では、どのようなセミナーが開催されたのですか?

渡野さん)反響が大きかったのは、「株式会社クレディセゾン」さんによる
 「キャッシュレス戦国時代〜財布がいらなくなる時代へ〜」ですね。
 皆さん、キャッシュレスに対する関心が大きいようです。

 また、名大の助教授による“ピラミッドの内部を宇宙線で観測する”
 といった講演があったり。自分達が考えないような次元のカテゴリだったり、
 社会的に話題となっているテーマをピックアップして、
 参加者全員が知見を広げています。

 勉強だけでなく、セミナーをきっかけに名刺交換をするなど、
 みんなが利益・相乗効果を図れる場として機能しています。

——現在、どのような会員が多く見られますか?

渡野さん)個人・法人含めて40名くらいです。
 まだスタートアップの段階なので、現在は関係者各所の法人や、学生が多いです。
 8月中に別の公式サイトが立ち上がりますので、
 その前後から一般の方々を増やしていけたらと思います。

▲会議室2の様子

——学生さんも利用されているのですか?

渡野さん)名大の学生が多いです。
 若い人達の発想は、我々企業人にとっては貴重なんです。
 私達のような企業人は現実的で、ついつい「採算は取れるのか?」とか考えてしまう。
 学生は採算ベース等は考えずに「もっとこんなことができないか?」と頭を捻る。
 そういった方々とコラボレーションして、アイデアを創出するのは非常に楽しいです。
 我々企業人にとっても貴重な機会です。

 

シェアオフィスの市場性について

——名古屋近辺におけるシェアオフィスの市場性をどう捉えていらっしゃいますか?

▲5Fのオフィスから見下ろすスクランブル式交差点

渡野さん)最近は名古屋近辺もシェアオフィスのニーズは増えています。
 やはり働き方改革の影響が大きいと感じます。
 残業を極力減らしたり、会社に長居させない取り組みをしたりと。
 また、企業側にとっても、セカンドオフィスに対する需要が増えているので、
 シェアオフィスのニーズはますます加速すると思います。

 特に若い世代や、クリエイティブな仕事をしている方こそ、
 フレキシブルな環境で働くべきです。いつもと同じ場所・人・作業をするよりも、
 アイデアの創出や生産性が向上すると感じます。
 他者から受ける「刺激」がクリエイティブを高めるはずです。

▲足を伸ばして作業できるリラックススペース

——なるほど。一法人が「S.Core」を利用するメリットは何だとお考えですか?

渡野さん)まずはセカンドオフィスとして利用できることですね。
 S.Coreでは、利用者一人ひとりにICカードをご用意しております。
 入退室はもちろん、 OA機器の利用もICカードがあれば利用できます。

 また、「本日○○さんは○○時に入室、○○時に退出しました」という報告を
 ご要望いただければ月単位でお送りしますので、勤怠管理も楽になると思います。

 毎月1回や数ヶ月に1回セミナーを開催する場合はお得です。
 例えば法人会員なら、毎月35,000円でシェアオフィスの利用、セミナー開催が1時間/月まで無料です。
 一般的なセミナー会場の利用費が多かれ少なかれかかります。
 そう考えると、セミナーを開催する方にとっては、かなりお得です。
 ぜひ活用してもらいたいですね。

今後の展望

——この先、どのような方々に利用して欲しいとお考えですか?

渡野さん)ゆくゆくは全国各地、あらゆる分野のセミナー講師をお招きしたいです。
 また、若い世代の方々と栄・名古屋についての街づくり・住みやすさなどを議論し、
 新たなニュータウンを作れる場として機能していけばよいと思います。
 S.Coreで若い人達の活躍を肌で感じて、また自分達も勉強いくことで、
 名古屋・東海地方のためになるはずです。

——ありがとうございました。

「S.Core」のまとめ
・栄エリアに誕生したフラっと立ち寄れる新オフィス
・週末は「サカエ大学・Common.S」によるセミナーを実施
・名古屋大学と提携しており、名大関連のセミナー・イベントも多く開催
・セカンドオフィスとして便利、セミナーを開催する方にとってはお得
・若い世代と企業人がコラボレーションできる新しい場

 

取材先概要
S.core営業時間:10:00〜22:00
住所:名古屋市中区栄三丁目30番28号 岩田サカエビル5階
定休日:不定休
電話:052-261-2227
FAX:052-261-2237
メールアドレス(問い合わせ):info@s-core.jp

料金形態
入会費(初回のみ):10,000円
月額使用料(法人):35,000円/月
月額使用料(個人):20,000円/月
ビジター:2,000円/2時間
※セミナー参加日は別途必要(詳しくは「サカエ大学・Common.S公式サイトへ」)

著者+撮影 ポメラニアン高橋 フリーライター&編集者
東京から岐阜県に移住してきたフリーランス型ポメラニアン。編集プロダクションにてレストラン取材や芸能人インタビューなどを経験し、2017年に独立。
詳細な実績やプロフィール