東海地方発、世の中にインパクトを与える企業・団体・個人の最前線の情報を届けます。

東海最前線

東海シェアオフィス探訪.1:シェアアビリティスペース エニシア 伏見店

はじめに 「東海シェアオフィス探訪」連載開始にあたって

 昨今、ワークスタイルの多様性に伴い、場所にとらわれない働き方をする人が増えてきました。そのような人のワークプレイスとして、シェアオフィスの市場が拡大しています。

 シェアオフィスの利用者はフリーランスや小さな企業の方だけではありません。大手企業に勤務する方でも、外出中の作業や副業のために、シェアオフィスを利用する方も増えています。セミナーや交流会の場としても利用されています。シェアオフィスには、ビジネスを成長させる役割や、異なるビジネスを繋げて新たな価値を生み出す役割も期待されます。

 東海地方でも近年シェアオフィスが続々と誕生しています。東海地方には、どのようなシェアオフィスがあり、どのようなサービスを提供しているのでしょうか。それを探るために、東海最前線では東海地方のシェアオフィスへの連続取材をする「東海シェアオフィス探訪」を開始します。

 今回は第1弾として、東海地区で最大規模の店舗数を展開する「シェアアビリティスペース エニシア」(以下「エニシア」)を取材しました。

シェアアビリティスペース エニシア 伏見店

 今回取材に訪れたのは名古屋エリアマネージャーの風間利記さんがおられる「エニシア 伏見店」です。風間さんに、エニシアの特徴や伏見店についてお答えいただきました。

▲名古屋エリアマネージャー 服部利記さん

エニシアの事業展開

――よろしくお願いします。まずは、エニシアの事業展開について教えてください

風間さん)エニシアの1号店は浜松店で、2016年4月に開業しました。ここ伏見店は、2017年9月に開業しました。現在は、名古屋に7店舗、岐阜に1店舗、静岡に3店舗、東京に1店舗を展開しています。

▲エントランスの壁面には全国の店舗が紹介されている

――2016年に開業されてから、すごい出店スピードですね。どのような方が利用されていますか?

風間さん)本当にいろいろな方に利用していただいています。職種も、コンサルティングやシステムエンジニア、Webデザイン、会社に勤めているビジネスマンの方などもいらっしゃいます。個室は、スタートアップの企業のほか、比較的大きな企業の支店としても利用していただいています。

▲フリースペース(エニシア提供、現在と異なる部分があります)

▲エニシア伏見店のフロアマップ

「エニシア」の由来と「シェアアビリティスペース」とは?

――エニシアという名前には、どのような意味がありますか?

風間さん)人と人との縁を縁(えにし)と言います。縁(えにし)によって幸(しあわ)せになろう、という意味を込めて、エニシアとしました。

――エニシアは「シェアアビリティスペース」と表現されていますが、これにはどのような意味が込められていますか?

風間さん)share(共有する)とability(能力)をつなげた造語ですが、「得意なことをシェアしてみんなで成功しよう」というコンセプトです。人によってそれぞれ異なる能力を持っています。苦手なことは得意な人に任せ、得意なことを人のためにすることで、皆さんで良い方向に向かっていければという思いが込められています。

 例えば、カメラマンの方は写真を撮ることが仕事ですが、宣伝用のフライヤーを作ったり、自分で情報発信したり、新規の仕事の営業をしたりと、写真を撮る以外のことに時間を使ってしまっていることも多いです。苦手なことには時間がかかります。そうすると、本来やるべき写真を撮るという仕事に割ける時間が少なくなります。これと同様のことを、多くのフリーランスや中小企業の方が悩んでいると思います。

 エニシアの利用者どうし、あることが得意な方が、それを苦手とする方のサポートすることで、皆さんがよりよい方向にむかっていくことを目指しています。

▲集中席(エニシア提供)

利用者が能力(ability)をシェア(share)するための取り組み

――利用者が得意な能力を共有できるように、エニシアでは具体的には何をされていますか?

風間さん)会員専用のWebサイトやアプリでお仕事の募集をして、会員どうしで仕事を依頼したい人、受注したい人のマッチングの場を提供しています。店舗内の掲示板でも同様に、「こんな人を探しています」、「こんなお仕事できます」という人をマッチングする情報を掲載しています(写真)。

▲お仕事マーケット掲示板

 また、会員どうしの出会い場となる交流会も開催しています。毎月15日に行う交流会には、毎回、20〜30名ほどが集まります。また、特定のテーマで少人数で行うマッチングを重視した交流会も開催しています。

▲くつろいでお話ができるソファ席

 そのほかに、会員から相談があれば、個別に他の会員を紹介することもしています。いろいろな業種の利用者がいますので、スタッフに困っていることを相談していただければ、恐らくそれに応じた方を紹介することができるはずです。

▲スタッフに困ったことを相談できる

 また、何らかのテーマで会員が集う「コミュニティ」を設けることもできます。店舗によって異なりますが、伏見店では、伏見店コミュニティ、ビジネス心理学、読書会、カメラ、ランニングなどのコミュニティが活動をしています。コミュニティの活動は会員専用アプリ・Webサイトや店舗の掲示板で告知しています。

▲コミュニティイベントのお知らせ

多くの人に利用してもらうために安価な料金体系

――利用料は安めに設定されていますね。

風間さん)フリー席は、伏見店の場合は平日9時~14時の利用で月額980円、全日9時~23時の利用で月額4,980円。固定席は全日24時間の利用で月額28,000円(共益費込み)です。おそらく業界最安値の水準だと思います。なお、会員には提携する飲食店・小売店・サービスの料金が割引で利用できる提携店制度もあります。

▲パーティションで区切られた固定席(エニシア提供)

 エニシアのビジネスモデルは、場所を貸して収益を得ることではありません。お仕事のマッチングなどの付加価値によって収益を得ていきたいと考えています。料金を安価にしている理由は、入り口のハードルを下げて、たくさんの人に利用していただけるようにするためです。

 セミナールームも利用していただきやすい料金を設定しています。伏見店の場合は、定員30名のセミナールームは30分1,000円、定員10名のミニセミナールームは30分400円です。セミナーの講師をする自信が十分にないという方も、お試しのセミナー開催を検討していただければと思います。

▲セミナールーム(エニシア提供)

▲ミニセミナールーム(エニシア提供)

今後の展開

――エニシアは、今後はどのような方に利用してほしいとお考えですか?

風間さん)現在、様々な方に利用していただいています。これから事業を始めようと考えている方も、事業が軌道に乗っていて、出会いを求めて利用される方もいらっしゃいます。会社員の方も、フリーランスの方も、幅広く、いろいろな方に利用していただきたいです。

――エニシアの今後の展開について教えてください。

風間さん)エニシアはもともと浜松から始まりました。既にシェアオフィスが多数存在するような大都市ではなく、地方でオフィスや人との出会いを求める方に利用していただけるよう、今後はフランチャイズで地方都市に出店していくことを考えています。直近では奈良県への出店を予定しています。地方創生の一環となればよいと考えています。

ーーありがとうございました。

「シェアアビリティスペース エニシア」のまとめ
・縁(えにし)+幸せ(しあわせ)でエニシア
・仕事や会員のマッチングに力を入れている
・交流会やコミュニティ活動も行われている
・多くの人に利用してもらうための安価な料金体系
・セミナールームも安価に利用できる
・これからは地方都市への出店に注力

取材先概要
シェアアビリティスペース エニシア 伏見店電話:052 229 0075
住所:〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄2-2-23 アーク白川公園ビルディング7F
アクセス:地下鉄東山線・鶴舞線「伏見駅」5番出口から徒歩3分

 

著者・撮影
南谷有美 フリーランスのカメラマン/ライター

2018年4月に認可外保育園長を退いてから、各地を巡る旅人に。リモートで仕事をしながら、好きな場所で好きなことをして生活している。