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東海最前線

“和菓子どころ名古屋”の魅力を伝える8つの和菓子が誕生「なごや菓八菓(かやか)」

コロナ後の観光需要回復を見越して、名古屋の新しい和菓子のお土産が誕生しました。

名古屋商工会議所は、名古屋の和菓子文化を観光の魅力に育てるために、
地元の和菓子職人の手技を生かして開発された8つの新商品を、
「あたらしい名古屋の和菓子土産コンテスト」で選定。
これらを「なごや菓八菓(かやか)」と名付け、
新しい「名古屋の和菓子土産」と位置づけて発表しました。

ここが最前線:名古屋の和菓子文化を伝える新しい和菓子

2021年3月3日(水)にリニューアルグランドオープンされた
ジェイアール名古屋タカシマヤB1食料品売場にて、
「なごや菓八菓(かやか)」の全商品を集めてお披露目されました。

本プロジェクトを担当した、名古屋商工会議所 商務交流部
流通・観光・街づくりユニットの久野 幹太さんにお話を伺いました。

 

なごや菓八菓が生まれた背景

――「なごや菓八菓」はどのような背景で生まれたのですか?

久野)一連の事業は、2018年度に名古屋商工会議所が取りまとめた
   「躍動し愛されるナゴヤ研究会」の報告書に示されている
   『ナゴヤの「食」の魅力向上と「なごやめし」のブランド力強化による
   観光客誘致』の具体的な取り組みとして実施しました。

   実は名古屋は「和菓子どころ」です。江戸時代、尾張徳川家では
   歴代藩主が茶の湯を好み、織田信長の弟、織田有楽齋が創始した有楽流や、
   名古屋独自の流派である松尾流が広まり、武家だけでなく町人の間でも
   茶道が流行しました。そこで、名古屋ではお茶請けとして和菓子づくりも
   盛んになりました。市内には創業300年以上の歴史がある老舗も
   複数存在します。なお、茶の湯は和菓子だけでなく、陶器など他の産業にも
   影響を与えており、文化的な広がりがあります。

   名古屋の和菓子は、このような歴史的・文化的な背景があるにも関わらず、
   名古屋が「和菓子どころ」ということは、あまり知られていません。
   そこで名古屋商工会議所は、名古屋の和菓子の魅力を観光資源として捉え、
   その魅力を全国に発信することで名古屋への観光を誘致するために、
   「あたらしい名古屋の和菓子土産コンテスト」を令和2年7月から実施。
   優れた職人の手技に焦点を当てた、新商品の土産品を、
   愛知県内に事業所を有する和菓子製造業者から募集しました。

   募集の対象とした和菓子は、お土産品となることを意識して、
   自社の技術を活用した、販売価格が概ね税別800円~1000円程度の、
   賞味期限が最低1週間ある和菓子です。

   令和2年8月14日のエントリー締切までに18品の応募がありました。
   12月までに、大手百貨店の和菓子バイヤーや、
   和菓子文化・土産品に造詣の深い専門家らが、
   食味、デザイン(形状・色調)、オリジナリティ(他との差別化)、
   ストーリー性(自社の技術を生かした特徴のアピール)の観点から、
   8事業者の8商品を入賞に選定しました。

   さらに専門家らが、商品デザイン、包装デザイン、ネーミング等に
   ついてアドバイスを行いました。

   こうして誕生した新たな名古屋みやげとなる8つの和菓子を
   名古屋の和菓子の魅力を発信して観光誘客に繋げるために、
   「なごや菓八菓(かやか)」と名付け、
   「ブランドロゴ・ブランドネーム」を作成しました。

 

「なごや菓八菓(かやか)」の名前の由来

――「なごや菓八菓」の名前とブランドロゴ・ブランドネームには、
  どのような意味が込められていますか。

久野)古事記や日本書紀に、時の天皇が、不老不死の言い伝えのある
   「ときじくのかくのこのみ(非時香菓)」を探させたという記述があり、
   その果実がお菓子のルーツと言われています。

   非時香菓を田道間守(たじまもり)が持ち帰った時、
   縵八縵(かげやかげ:果実が紐につながれた、または葉にのせられたもの)と、
   矛八矛(ほこやほこ:果実が枝についたもの)の状態になっていたと
   伝えられています。

   これらの文字は偶然にも名古屋の象徴である「八」であり、
   末広がりを意味するおめでたい言葉のため、
   この語感を使って「なごや菓八菓」としました。
   また、菓子を表す「菓」の字を繰り返す音感によって、
   和菓子らしい“かわいらしさ”を表現しました。

なごや菓八菓ロゴマーク

――ありがとうございました。

ジェイアール名古屋タカシマヤでのお披露目

2021年3月3日にジェイアール名古屋タカシマヤ 地下1階食料品売場が
リニューアルオープンされました。「銘菓百選」には、
東海地区のおみやげをそろえたコーナーが新設されました。

そこで、2021年3月3日(水)~3月31日(水)に、
「なごや菓八菓」の商品がお披露目されています。

「なごや菓八菓」は、商品を開発した各店舗でも販売を開始されます。

ジェイアール名古屋タカシマヤ 地下1階食料品売場の「銘菓百選」に設置された
なごや菓八菓のコーナー

なごや菓八菓に選ばれた8つの和菓子

なごや菓八菓の8つの和菓子をご紹介します。

1.木の実のおこし
価格:1箱5個入り 1,620円(税込)、単品 270円(税込)
説明:菓子のルーツである“木の実”と、米で作る伝統菓子の“おこし”を組み合わせ、キャラメルでコーティングして板上に仕上げられています。お好みの大きさにカットして、お茶・珈琲、あるいはお酒などとともに自由に楽しめます。
店名: 一朶(いちだ)       
URL: http://ichi-da.com住所: 名古屋市南区豊田1-28-33  
TEL: 052-618-8555
営業: 10:00〜売り切れ次第    
定休日:不定休

 

2.名古屋金鯱
価格:1箱5個入り 1,080円(税込)、単品 195円(税込)説明:丁寧に炊きあげた風味の良い粒あんを、しっかりした味わいの焼菓子の生地にはさんでいます。二つ折りにした表面には金しゃちの焼印をあしらい、金粉をまぶした姿は、まるで金しゃちのうろこのようにも見えます。
店名: 菓子処 大口屋      
URL: https://www.ooguchiya.co.jp住所: 江南市布袋町中67   
TEL: 0120-00-9781(9:00~17:00) 
営業: 8:00〜18:00        
定休日: 元旦
    ※江南駅前、一宮、大口、百貨店などに出店

 

3.いちまいのみず
価格:1箱10切れ入り 1,080円(税込)
説明:名古屋城のお堀に張る薄氷をイメージして作ったお菓子です。表面は薄くシャリ感があり、中がトロンと柔らかく、2つの食感の違いを楽しめます。このお菓子には日本酒を使用しており、愛知県の銘酒・蓬莱泉のほのかな吟醸香が印象的です。
店名: 京菓子司 亀広良(かめひろよし)
URL: http://www.kamehiroyoshi.com住所: 名古屋市西区上名古屋1-9-26
TEL: 052-531-3494
営業: 9:00〜18:00       
定休日: 水曜、第2.4火曜日

 

4.名古屋ひつまぶしあられ
価格:1箱(150g×2袋入り)1,296円(税込)
説明:名古屋名物ひつまぶしをイメージしたあられ。佐賀県ヒヨク米を昔ながらの杵つき製法で仕込み、醤油を餅に入れてついており、餅を焼いた時の焦した醤油感が隠し味になっています。そこに国産の山椒、刻み海苔を加えて、カリッとした食感に仕上げられています。
店名: あられの匠 白木
URL: https://www.arareya.com住所: 名古屋市北区元志賀町1-57
TEL: 0120-758-216
営業: 平日9:30〜18:30、土日祝10:00〜17:00 
定休日: 祝日の月曜

 

5.生落雁 加加阿 cacao(なまらくがん かかお)
価格:1箱9個入り 1,320円(税込)、12個入り 1,650円(税込)
説明:スーパーフードとして注目されているカカオニブ(カカオ豆をローストし細かく砕いたもの)を自家焙煎し、国産玄米粉の香ばしさと合わせて、柔らかい生落雁に仕立てました。SDGsに取り組むチョコレートメーカーDari Kのカカオを使用し、日本古来の伝統菓子と名古屋の喫茶珈琲文化から、新しい落雁が生まれました。
店名: 大黒屋本店
住所: 名古屋市中区錦3-19-7  
TEL: 052-971-2873
営業: 10:00〜21:00         
定休日: 日曜・祝日

 

6.不老
価格:1箱6個入り 1,600円(税込)、単品 220円(税込)
説明:不老園はもともとみりん屋でした。そのルーツを振り返り、みりんを使って複雑で深みのある甘味に仕上げられています。卵・牛乳は使わず、豆乳とオリーブオイルを使用した生地で、くるみ入りの白あんを包んだ、ころんと可愛らしい焼き菓子です。
店名: 不老園正光    
URL: https://www.furouen.co.jp住所: 名古屋市中区古渡町11-32  
TEL: 052-321-4031
営業: 9:00〜18:00(日曜〜16:00)   
定休日: 水曜

 

7.なるみくるみ餅
黒糖 価格:1箱5個入り 1,150円(税込)、単品 180円(税込)
説明:ロースト胡桃を合わせた柔らかい羽二重餅に、風味豊かな黒糖を加えました。胡桃の油分と羽二重餅の甘味に、コクのある黒糖のハーモニーが印象的。名古屋の宿場町・鳴海の名を入れた土産菓子です。
店名: 山田餅なるみ   
URL: http://www.yamadamochi-narumi.com住所: 名古屋市緑区鳴海町字花井町14-1 
TEL: 052-622-3081
営業: 9:00〜18:00    
定休日: 火曜

 

8.鬼うゐろう
価格:1箱 1,080円(税込)
説明:名古屋名物「鬼まんじゅう」と「ういろう」。それぞれの良さを取り合わせて生まれたお菓子。そのまま蒸しただけでも充分に美味しい鳴門金時芋を贅沢に使用し、甘みとホクホク感が特徴です。ほのかに染めた桜ういろうと、若草色の柚子ういろう、優しい二つのあじわいです。
店名: 両口屋是清   
URL: https://www.ryoguchiya-korekiyo.co.jp住所: 名古屋市中区丸の内3-14-23  
TEL: 0120-052-062
営業: 9:00〜18:00   
定休日: 日曜
  ※市内直営店をはじめ、全国の百貨店などに出店
  ※鬼うゐろうは店舗を限定して販売予定。詳細はお問い合せください

 

さて、このたび誕生した名古屋の新しいお土産「なごや菓八菓」。
お客様へのお土産として「なごや菓八菓」をお渡しする際に
「実は、名古屋は和菓子どころなんですよ・・・」と紹介されると、
お話が弾むのではないでしょうか。

 

名古屋商工会議所:https://www.nagoya-cci.or.jp/

取材・編集:東海最前線 編集部